男性の50代というのは会社員としてゴールが見え始めている世代です。
少し前までは定年退職までの残りわずかとなり、ここまで築き上げてきた「会社員」という道のりの終点を意識するところです。
しかし今は、少子高齢化が急速に進展し人口が減少している背景の中、経済社会の活力を維持するため、高年齢者雇用安定法による65歳定年制が2025年4月からすべての企業の義務付けられました。
すでに、「65歳までの継続雇用制度」を導入し、従来の定年年齢であった55歳を超えた社員に対しても雇用を継続している企業は多くあります。
厚生年金の支給開始年齢が引き上げられたことで辞めるに辞められないという理由もありますが、それよりも「生涯現役」と、まだまだ働く意思が残っているという方もいらっしゃいます。
一方でまだ体が元気なうちに、会社を辞めてこれまでできなかった趣味に没頭するなど新しい生活をスタートさせたいと早期退職を考える方も多いです。
そこで今回の記事では、50代男性で仕事を辞めたいと感じている人に向けて、実際に50代で辞めた人の声を聞きつつ、その現実はどうなのかについて詳しく考えていきます。
50代で仕事を辞めたいと感じている人は多い
50代で仕事を辞めようかどうか悩んでいる人というのは意外と多いです。
人生の折り返し地点を過ぎ、このままもう少し会社員として気を張り続けて頑張るか、それともまだ先の人生は長いと、新しいことに挑戦するか、まだまだ選択肢はたくさんあります。
しかしその一方では、職場での人間関係であったり、以前よりも思うようなパフォーマンスが発揮できなくなったことで、もどかしさややりがいの低下を招くとともに仕事に疲れを感じることも増えてくる世代とも言えます。
50代で仕事を辞めたいと思う理由
50代で仕事を辞めたいと思う理由はどこにあるのでしょうか。
50代というのは肉体的にも精神的にも大きな変化を感じられる年代であり、他の世代が仕事を辞めたいと思う理由とはまったく違ってきます。
そんな中で誰にでも共通して挙げられる理由が以下の3つです。
- 出世に限界を感じた
- 力仕事だが体力がなくなりしんどい
- 新しい人生への一歩を踏み出したい
どういうことなのか、それぞれ詳しく考えていきます。
出世に限界を感じた
年功序列から成果主義に変わり、50代での出世はどこの会社も難しくなっています。
やはり50代ともなると体力的な衰えを感じることも多く、若いころのように働くことが困難になります。
また、腰痛やヘルニアなど持病を抱えながら働いているケースも少なくありません。
そんな中で出世を期待することができず、限界を感じるという方は実際に多くいるのが現状です。
力仕事だが体力がなくなりしんどい
力仕事であればなおさら体力的な衰えというのは、働く上で重くのしかかったきます。
長年、肉体労働を続けているのであれば、何かしらの持病を抱えていることも多いでしょう。
腰サポーターなどのアイテムも欠かせなくなっているはずです。
その中で若い人たちと混じって働くというのは、非常に大変なことです。
それは力仕事に限らず、頭を使うような「頭脳労働」においても同じことです。
ITなどは新しい技術が次々に誕生し、それに追従していかないといけません。
覚えることが次々に増えてくるのに、物忘れも多くなってきて、ある意味、力仕事のような肉体労働よりも、しんどい状況になっていきます。
新しい人生への一歩を踏み出したい
会社員生活も長くなった50代、勤続年数も長く仕事を通しての新しい学びを得る機会も減り、それが会社員としてのモチベーション低下にもつながっていきます。
一方でまだまだ新しいことに挑戦する情熱や気概も残っており、新しい人生への一歩を踏み出したいと考える方も多いです。
それは何も仕事だけでなく、自然豊かな地域に引っ越してプライベートな時間を充実させたいといった一歩もあるでしょう。
場所を変えればまだまだ輝きを放てるのが50代であり、元気なうちに会社員時代ではできなかったことを経験するというのも素敵な考え方です。
50代で仕事を辞めた人の現実
「新しい人生への一歩を踏み出す」というのは聞こえは良いですが、現実はどうなのでしょうか。
次に、50代で仕事を辞めた人が、その後どうなったのかについて追いかけていきます。
- 転職活動に失敗して後悔している
- 早期退職制度を利用して悠々自適に生活
- 新しい趣味に没頭する生活をスタート
後悔した例もあれば、辞めて正解だったという例もあります。
それぞれひとつずつ詳しく追いかけていきましょう。
転職活動に失敗して後悔している
50代は長い老後生活に備えるための最後の期間です。
厚生年金の支給開始年齢は引き上げられ、退職と年金受給の間の無収入期間が自身や家族の生活において無視できない状況になっています。
そのため、たとえ50代であって十分な備えがないと退職して早めの老後生活を送るというわけにはいかず、転職を選ぶケースもあります。
ただ、50代の転職となるとなかなか思うように次の仕事が決まらないというケースは多いです。
ミドル層、シニア層の転職市場は活発化しているように表面的には見えますが、成功例が目立つばかりで、その裏には失敗例が隠れているという現実に目を背けるわけにはいかないでしょう。
早期退職制度を利用して悠々自適に生活
会社によっては早期退職制度を導入しているところもあります。
早期退職制度とは、従業員が通常よりも早く自主的に退職するための制度のことで、その制度により、定年退職時に支給予定の退職金を上乗せしたり、再就職の支援を行ってくれたりと、通常の退職に比べて、何らかの優遇措置を設けているケースが多くみられます。
この制度の活かし方として多いのが、やはり退職金を上乗せしてくれる点にあると言え、人より早く自由な生活を選ぶことも可能になります。
昨今はこの制度を導入する会社は増えており、社員にとっても、その恩恵は大きいと言えます。
「アーリーリタイア」という若くして仕事から解放され自由時間を手に入れるスタイルも流行っています。
早期退職制度を利用して悠々自適に生活を送っておられる方も多くいらっしゃいます。
新しい趣味に没頭する生活をスタート
退職した後は自由な時間がたくさんできるので、会社員時代にはできなかったことができるようになります。
50代という若いうちに退職し、仕事から解放されれば、すでに趣味があればそれに没頭できますし、新しい趣味に挑戦することもできるでしょう。
- 山登りを極める
- ゴルフなどのスポーツに励む
- 囲碁・将棋をはじめる
- 水彩画をはじめる
- 家族旅行を楽しむ
何か新しいことをはじめれば、新しい交流が生まれ、日常が充実してきます。
日々のストレスから解放されて、心身が健康になり、50代からアクティブなことにも挑戦する、そんな方もたくさんいらっしゃいます。
家族と旅行したり、自分の趣味を楽しむなどして新しい人生をスタートさせるというのも、ここまで頑張ってきたからこそできる贅沢なのかもしれません。
重要な戦力と見られている場合は退職できない場合も?
50代はまだまだ現役世代であり、会社から重要な戦力と見られているケースも多いでしょう。
重要な戦力であれば、会社が退職をなかなか受け入れてくれないということもあります。
特に中間管理職の立場にいる場合は、その傾向は顕著です。
今抱えている仕事のこともありますし、中間管理職であれば、たくさんの部下を管理しているはずです。
そうした中で、辞めるのであれば、それらを後任者に引き継がないといけません。
その引き継ぎに時間がかかり、苦労することになるでしょう。
責任ある立場に置かれている以上、会社を辞めるということは想像以上に大変なことなのです。
どうしてもやめられないなら退職代行の検討を!
50代以降ともなると、会社を辞めたいと思っても、会社に「辞めたい」と言い出しにくいこともあるではないでしょうか。
最近では、転職が当たり前になりましたが、それでも退職するために必要なことは何一つ減ってはいませんし、むしろ大変さは増しています。
強い引き止めに合い、中々辞めさせてもらえず、引き継ぎに何ヶ月、もしくはそれ以上かかることも十分にありえます。
ただ、会社からの要求に従っていたら、せっかくの機会を逃してしまいことになりかねません。
そこで、中々辞められないときは退職代行サービスを使用するという選択肢もあります。
多くのメディアでも取り上げられ、それとともに利用者が増えており、世の中に少しずつ浸透しています。
退職代行サービス業者に依頼すれば、翌日から会社に行かなくてもいいというようなことも可能です。
40代、50代以降でも利用者は増えており、むしろそのサービスの恩恵を最も受けられる世代と言えるのかもしれません。
会社を辞めるという敷居をものすごく下げてくれるサービスであり、もし本当に思い悩んでいるようであれば、こうしたサービスの利用も検討に入れてみてください。
50代で生活に余裕があるなら退職を選択するのもありかも
サラリーマンとして長らく働いてきた50代、それまでの苦労は各々ひとかたならぬものがあったと思います。
人間関係や職場環境におけるストレスも積み重なっているのではないでしょうか。
まだまだこれからという方もいらっしゃる一方で、早いうちに自由な時間を手に入れたいと考える方も多くいらっしゃいます。
人生の大半を働くことに費やしてきたところで仕事を辞めて、それまでとはまったく違った生活を送るというのも素敵なことです。
もちろん、毎月の収入が途絶えしまい、生活の支えがなくなるという側面もあり、一筋縄で決められることではありませんが、50代で生活に余裕があるなら退職を選択するのもありかもしれません。
これまで満足にできなかった家族サービスや自分自身の時間を大切にすることは、残りの人生に対しての新たな生きがいとなっていきます。
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