退職代行サービスを使用することで後悔することはないだろうか
退職代行サービスはそれほど多く使用することがないサービスですので、そんな不安を抱えている方も多いはずです。
退職代行サービスを使用した方の中には、使用して良かったと思う人が多い中、使用したことを後悔しているという声も聞かれます。
退職代行を使用したからと言って、すべてが丸く収まるわけではありません。
本記事では、退職代行を使用すると、どんなところを後悔するのか、後悔しないためにはどうすれば良いのかを考えていきます。
退職代行サービスを使用してからでは後戻りできないところですので、後から後悔しないためにも、先に使用した方々の声を自身が使用する際に役立ててください。
退職代行を使用して後悔するケース
退職代行を使用して後悔するケースとはどのようなものがあるのでしょうか。
ここではその代表的な一例を紹介します。
- プライベートで仲が良かった人と疎遠になる
- 感情的になって退職してあとから後悔した
- 会社から損害賠償を請求されてしまう
プライベートで仲が良かった人と疎遠になる
どんなに辛い思いをしたとしても、過去にお世話になった先輩や一緒にがんばってきた同期がいた場合、退職後、ふと、その時々のことを思い出してしまうものです。
退職代行による退職は、送別会なども開かれることなく去っていくことになり、そんな同僚たちに十分な挨拶する機会がありません。
退職代行を使用した会社の辞め方は、同僚たちからすると裏切りのような見方、中には蔑むような見方をされることもあり、職場の人たちと疎遠になってしまうことは多いです。
「お世話になりました。」
そのひと言だけでも伝えておけば同僚たちの印象も全然変わってきます。
何より、自分自身がそれだけも伝えておけば良かったと後悔することになってしまいます。
感情的になって退職してあとから後悔した
会社が嫌になったとき、感情的になって投げやりになってしまうことがあります。
退職代行を使用して後悔するケースとして多いのが、「やはり自分で伝えれば良かった」という後悔です。
退職代行サービスは最短当日で退職することが可能なため、退職を決めてからはすぐに退職が決まります。
退職後、時間を置くことで冷静さを取り戻し、なぜ自分で伝えなかったんだろう、退職の意思を伝えることは、社会人として果たすべき役割であったのではないだろうかと、自責の念に追われてしまうことです。
特に真面目な方ほど、退職代行を悩みに悩みぬいて使って、使ったあとも罪悪感のようなものを感じてしまう傾向があります。
会社から損害賠償を請求されてしまう
退職代行サービスを使用したからと、何事もなく退職できるとは限りません。
今は退職代行サービスを行う業者も増え、様々な謳い文句が飛び交っています。
その代表例として「即日退職可能」という謳い文句です。
ただ、サービス提供者によって対応可能な範囲は異なり、十分な知識やノウハウを持っていない可能性もあります。
そのデメリットを知らずに業者に頼んだから安心と油断してしまうと思わぬ事態に巻き込まれてしまいます。
今回の例で言うと、「即日退職」というのは基本的にはできません。
法律では退職の申し入れ日から2週間経過することで雇用関係を終了させることができますが、即日OKとはどこにも記述されていません。
即日退職できるのは、会社から「明日からは来なくていい」と、即日退職に合意してくれた場合に限られます。
退職代行の業者から会社に話しは通したと伝えられて、翌日から出社しないでいると、実は会社側は退職に応じておらず、無断欠勤扱いとされていたということもあります。
もし、その無断欠勤により、会社の業務に支障が出て損失が生じてしまった場合、最悪、損害賠償請求をされることもあります。
事例としては少ないですが、可能性として起こりえることですので、業者選びは十分に注意してください。
退職代行を使用して後悔しないケース
退職代行を使用して後悔するケースもありますが、反対に後悔しないケースももちろんあります。
次は、後悔しないケースとしてどんなものがあるのかを考えていきます。
- ブラック企業をすぐに退職できた
- 有給休暇を使い切って退職できた
- 退職してからプライベートな時間を取り戻せた
- 気まずい思いをせずに退職できた
ブラック企業をすぐに退職できた
長時間労働や過重労働によって体調不良や精神的な病を患う労働者が後を絶ちません。
追い詰められて、自ら命を絶ってしまうという最悪の事例もあります。
自分の身は自分で守るしかありませんが、誰かに頼ることはできます。
そうなる前に、退職できたということは、退職代行を使用する最大の意義だと考えます。
ひとりの労働者の代わりはいくらでもいますが、あなたには代わりはいないのです。
有給休暇を使い切って退職できた
有給休暇は、労働基準法第39条により定められている労働者の権利です。
ですので本来、有給は労働者が自由に使えるものなのですが、業務が残っているから、周りも忙しくしており迷惑をかけるからなどの気配りにより、有給を使い切ることができず、消滅させてしまうケースが多いです。
会社を退職するときも、引き継ぎが終わってないなどの理由で、有給を使いたいと言い出しにくく、結局、使えないまま最終日を迎えてしまうこともあるでしょう。
退職代行の業者に有給を使いたいことを伝えれば、有給休暇を使用した上で退職できるよう取り計らってくれます。
そうした労働者の権利を行使させてくれるというのも退職代行を使用するメリットと言えるでしょう。
気まずい思いをせずに退職できた
人の性格は人それぞれであり、退職するとき、送別会を開いて欲しい人もいれば、そうしたことはせずに空気のように去っていきたいという人もいます。
気まずい思いをせずに退職できるという点も人によっては大きなメリットです。
退職代行を使用して後悔してしまった事例
退職代行を使用した人の何割かは、退職代行を使用したことを後から後悔する人もいます。
退職代行を使用して後悔する理由とは何か、その代表例として以下が挙げられます。
- 残された職場の人を思って罪悪感を感じる
- 使用したものの最終的にトラブルになってしまった
- 退職代行が失敗してしまい賠償請求をされた
残された職場の人を思って罪悪感を感じる
ひとりだけ会社から冷遇を受けていたのなら良いのですが、他の人も似た状況に置かれていることもあるでしょう。
そうした職場環境であったのであれば、ひとりが抜けたら残された同僚はもっとひどいことになるというのは否が応でも想像できてしまいます。
やさしい人は特に、残された同僚のことを思って罪悪感にさいなまれることもあります。
ただ、もしそのまま劣悪な職場環境が放置されていたのであれば、遅かれ早かれ、次々に退職者はでてくるでしょう。
使用したものの最終的にトラブルになってしまった
丁寧に対応してくれる退職代行の業者に依頼すれば、円満とはいかないまでも、後腐れ少なく退職することができます。
しかし、対応が雑な業者に依頼してしまった場合、トラブルに発展してしまうケースもあります。
退職代行に依頼したからといって、会社側が素直に応じるとは限りません。
特に弁護士資格を持たない一般の業者に依頼した場合、トラブルに発展しやすいです。
一般の業者ができることは基本的には退職の意思を会社に伝えることのみです。
根気よく説得することはできますが、会社への交渉、請求は非弁行為にあたる可能性があるため、それ以上のことはできないのです。(労働組合であれば合法的に交渉まではできます。)
退職代行が失敗してしまい賠償請求をされた
最悪のケースが退職代行に失敗し、会社から賠償請求をされるケースです。
業者によっては、退職の意思はちゃんと伝えたからと、中途半端に業務を投げ出されてしまうことも稀にあります。
損害賠償に発展するケースのほとんどが、会社を辞めたと思っていたのに実は退職手続きが済んでおらず、無断欠勤扱いとされていたケースです。
「無断欠勤」の定義について法律で定められているわけではなく、「無断」かどうかは基本的には企業によって判断されます。
退職代行が連絡していたとしても、正当な理由として認められないと判断された場合「無断欠勤」となることもあります。
無断欠勤によるペナルティは想像以上に重いです。
重大な過失と判断され、懲戒解雇とされてしまうケースも珍しくありません。
そして最悪なのは無断欠勤によって会社が損害を被ったとして損害賠償請求をされてしまうケースです。
実際に訴訟にまで発展する可能性は低いですが、今後の転職活動には間違いなく影響するため、こうした事例があることも念頭に入れておきましょう。
退職代行を使用しても後悔しないための対策
退職代行を使用して退職できたとしても、後悔が残るのなら使用を躊躇してしまうこともあるでしょう。
次に、退職代行を使用した後で後悔しないための対策3選について考えていきます。
- 親しい同僚には根回ししておく
- プロジェクトはキリの良いところまで進めておく
- 引き継ぎはしっかりと進めておく
親しい同僚には根回ししておく
親しい同僚には、会社を辞めようと考えていることを事前にひと言伝えておくことも大切です。
会社で培った人間関係はすべて断ち切りたいと考えることもあるでしょう。
ただそれでも、ひと言も言わずにある日突然、いなくなってしまったら、それまで親しくしていた同僚にとっては寂しいものです。
ひと言相談することで味方になってくれることもあります。
プロジェクトはキリの良いところまで進めておく
もしプロジェクトが動いている真っ最中であるならばキリの良いところまでは進めておきましょう。
辛い状況にあるのかもしれませんが、自身が突然いなくなってもプロジェクトがまわるくらいまでは進めておかないといけません。
何も抱えている仕事をすべて終わらせる必要はありません。
例えば、自身が担当している仕事の進捗状況であったり、資料の格納場所であったり、退職していなくなったとしても他の人でフォローできるまではやっておかないといけません。
引き継ぎはしっかりと進めておく
退職代行を使うことで、状況にもよりますが、引き継ぎをせずに退職することは可能です。
実際、そういう方もいらっしゃいます。
ただ、もし必要な引き継ぎをせず、会社の業務に具体的な支障が生じた場合は、損害賠償に発展してしまうこともあります。
具体的な実害とは、「取引先を失う」「業務が成り立たたなくなる」などです。
わかりやすい例として、何かしらのシステムの管理を任されていた場合、管理者パスワードを誰にも伝えずに退職した場合、具体的な実害が生じるのは明らかです。
何より、引き継ぎが終わってないのに抜けられて困るのは同僚たちです。
自身にとっても、周りの人たちにとっても不利益になりかねないため、必要最低限の引き継ぎは進めておきましょう。
退職代行を使用しても後悔しないための対策まとめ
「やっぱり自分で伝えれば良かった」
退職代行を使用した後、そんな風に後悔する人は多いです。
時間の経過とともに普段の冷静さを取り戻し、社会人としてあるまじき行為であったのではないか、最低限の責任を果たせなかったのではないか、真面目な方ほどそうした罪悪感に苦しめられる傾向があります。
後悔しないためには、少し休んでから、本当に退職代行を使用するしかどうしようもないのか、考えてみるのも大切です。
もし少しの休みを取ることすらできないような状況であったのならば、それはあなたが悪いわけではありません。
また、料金が安いからと、いい加減な業者に依頼すると、退職後しばらくして余計なトラブルに巻き込まれることもあります。
業者選びは重要です。適正な価格で信頼できる業者に依頼するようにしましょう。
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