会社に依存しない働き方が注目される中、正社員を辞めたいと考える人が増えています。
1950年ごろ、安定的な労働力確保のためにはじまった終身雇用が長年に渡って多くの企業で取り入れられてきました。
しかし、労働人口の減少や企業の生産性低下に伴い、終身雇用を維持するのはどの企業も厳しくなり、正社員だから安泰というわけではなくなっています。
そんな背景から非正規雇用者の数が右肩上がりで増えているわけですが、責任が重くのしかかる正社員を辞めて、あえて非正規やフリーランスとして働くというワークスタイルを選ぶ動きが活発化しており、これからますます伸びていく気配があります。
ただ、正社員を辞めるには相応のリスクがあり、辞めてよかったという人もいれば、辞めたことを後悔することもいます。
また、正社員を辞めて楽な道にいくのは甘えだとか、もったいないという意見も多いです。
本記事では、正社員を辞めたいと考えるのは甘えであり、本当にもったいないことなのかを考え、それらを言われたときの対策や返し方について考えていきます。
正社員を辞めるのは甘えた考えなのか?
正社員を辞めたいけどなかなか辞められない人は多いです。
その理由は様々ですが、正社員を辞めて楽になりたいというのは甘えた考えであり、後から後悔するという考えが根底にあるからでしょう。
ただ、正社員を辞めることは必ずしも甘えた考えというわけではありません。
その理由として以下3つのポイントが挙げられます。
- 転職を前提に退職するなら甘えではない
- どうしても耐えられないなら辞めるのが良い
- そもそも正社員だから辞めないほうがよいは古い考え
転職を前提に退職するなら甘えではない
現状より上の年収や役職を目指してのハイクラス転職が今話題になっています。
テレビCMでも最近はよく流れてますね。
それだけ企業は優秀な人材を求めており、人材の入れ替わりが激しくなっているということです。
例え、年収や役職があがらなかったとしても、自身のスキルをより活かすためにやりがいのある会社へ転職する人は今後ますます増えていくでしょう。
当然ですが、こうした転職を前提に退職することは甘えではありません。
どうしても耐えられないなら辞めるのが良い
今の仕事にやりがいがなかったり、面白くなかったとしても、会社を辞めることに対して「甘え」だとか「逃げてるだけ」といった否定的な考え方がこれまで強く根付いていました。
そうした考え方が重しになり、無理して働いて、体調を崩したり精神疾患を患ったりする労働者の増加を招いてしまったという側面は間違いなくあるでしょう。
しかし今はそうした考え方は古くなっていると言え、どうしても耐えられないなら辞めるのが良いという意見が目立ちます。
なぜ働くのか、それを考えたとき「お金」だけでないなら、辞めて転職するなり、新しいことに挑戦することを視野に入れるのが今どきのスタイルと言えるでしょう。
正社員で退職を検討しているなら「正社員で退職代行を使用する際の不安を解消!後悔や失敗をなくす使い方!」の記事が参考になるので、チェックしておきましょう!
正社員だから辞めないほうがよいは古い考え
終身雇用が崩壊した今、企業はひとりの労働者を守ってはくれません。
正社員だから安泰という考え方は誤りであり、安定した収入を得られる正社員だから辞めないほうが良いという考えはすでに古いと言えます。
また、物価が上がる中、労働条件が良くなる兆しはまったく見えなくなっています。
いくら収入が安定していたとしても、労働力に見合った対価が得られないと状況は一向に良くなりません。
それに気づいて、動いている人が増えているから人材業界が活発となっているのでしょう。
正社員を辞めたいといったときに言われること
正社員を辞めたいといったときに周りから言われることは大抵決まっています。
どんなことを言われるのか、改めて考えてみましょう。
- 正社員を辞めるのはもったいない
- 正社員を辞めて次何するの?
- そんなんじゃ次の職場でもスグ辞める
正社員を辞めるのはもったいない
月々の給料の他、ボーナス、退職金、福利厚生など安定した収入を得られるのが正社員です。
何より正社員という社会的な信用はものすごく高いです。
一度、正社員として採用されれば、そうそう解雇もされることもないため、景気が沈んで仕事が減ったときも、優先して守られます。
そうした当たり前過ぎてそのありがたみの実感が薄れている中で、正社員を辞めてしまい派遣や契約社員となった場合、やっぱり正社員を辞めなければよかったと後悔する人が多いのは事実です。
ただその一方で辞めて良かったと思う人もいます。
今は個人でも収入を得られるプラットフォームがたくさんあり、やり方次第では正社員より安定して高収入を得ることも可能な時代です。
結局、辞めて良かったと思うか後悔するかは本人次第です。
一概に正社員を辞めるのはもったいないという意見はもはや古くなっていると言えるでしょう。
正社員を辞めるのはもったいないと言われたら、
「挑戦したいことや目標ができた」など前向きな回答をするのが良いです。
会社への不満や批判を辞めていく会社に対して言っても意味はありません。
前向きな理由は、会社側も説得しにくくなります。
正社員を辞めて次何するの?
「何で辞めるの」の次に聞かれるのが「辞めてどうするの」という問いかけです。
転職先が決まっているなら、
「自分自身を見直し、よく考えた結果、新しい職場でどこまでやれるか挑戦したいという気持ちが抑えきれなくなり退職を決意しました。」
フリーランスや派遣、契約社員などの有期雇用契約とするなら、
「自分自身でどこまでやれるか挑戦してみたい。」
などとこたえるのが良いでしょう。
とにかく後ろ向きなことは言わずに前向きな理由とすることが大切です。
そんなんじゃ次の職場でもスグ辞める
退職の意思を伝えたら、必ずその理由を聞かれます。
その回答内容によっては、「そんなんじゃ次の職場でもスグ辞める」などと厳しいことを言われることもあるでしょう。
社会人としての未熟さや仕事に対する忍耐力のなさを諭されてしまうこともあります。
そうした意見に対して、反論したくなることもあるかもしれませんが、可能な限り円満な退職を目指すことが大事です。
反論したくなったとしても、そこはグッとこらえて、
「おっしゃる通りかもしれませんが、スグに辞めないように頑張ります。」
と、しっかり前を向いて素直に返しましょう。
引き止めにあったときの対処法と返し方
退職の引き止めにあったときは適切に対処しましょう。
うまく対処ができないとズルズルと仕事を退職できない状況に陥ってしまいます。
引き止めにあった場合は次のような対処法で乗り切りましょう。
- 強い気持ちで退職を宣言する
- 引き止められにくい退職理由を用意する
- 退職代行サービスを利用する
強い気持ちで退職を宣言する
できるのであれば引き止めにあった場合、しっかりと自分の言葉で退職の意思と気持ちを伝えて対処するのがベストです。
「やりたいことが見つかったので、これからは全力でそちらにチャレンジしたいです!」
「転職して新しいステージ(違うステージ)で自分を更に磨きたいです!」
などポジティブな発言と意思を伝えて、退職の意思表示をしましょう。
ただし、自分の意思表示だけを行ってしまうと自己中心的な人間だと思われてしまいます。
意思表示の前後には、ここまで成長できたのは会社のおかげ、周囲の人のおかげということも併せて伝えるとスマートです。
引き止められにくい退職理由を用意する
自分で退職の意思表示をしても、職場によっては引き止められてしまうこともあるでしょう。
そんなときは引き止められにくい退職理由を準備しておくのも一つの手ではあります。
例えば「実家の家業を手伝う必要がある」や「両親の介護が必要になって…」など、家族などが理由であれば上司や会社も引き止めにくいのですんなりと退職することができるでしょう。
ただし、嘘だとバレてしまうと退職をスムーズに進めることができなくなるので、事前にしっかりと準備しておくことが必要です。
また、そもそも嘘をついて退職することに抵抗がある場合は、上記のようなことを理由に退職すると後悔が残ってしまうので他の方法で退職をすすめましょう。
退職代行サービスを利用する
どうしても退職の引き止めがしつこい場合は退職代行サービスの利用も検討しましょう。
退職の意思をはっきりと示しているにもかかわらず、引き止めを行ってくる企業は基本的に辞めさせる気がないです。
そういった相手にはどういう理由を準備していても聞いてくれないケースが多いので、退職代行サービスを利用して退職するのが一番簡単です。
多くの退職代行サービスは、LINEやメールなどで無料相談を行い料金を支払うだけで退職代行を行ってくれるのでスムーズに退職することができます。
どうしても退職したい場合は退職代行サービスを利用しましょう。
正社員を辞めるのは全然問題ない
否定的な意見、肯定的な意見と正社員を辞めることに対して様々な意見が飛び交いますが、正社員を辞めることについてはまったく問題ありません。
実際、昨今の転職回数の平均は、全年代を対象にしたときでも1~2回というデータがあり、多くの人が1度や2度は転職を経験しています。
退職は次の人生への第一歩
失業保険をもらいながら、次の人生についてゆっくり考える期間が人生の中で何度かあっても良いでしょう。
そうした考える期間を置き、自分自身を見つめ直す機会はとても有意義なものとなります。
今の職場で働いていても、理想の未来を描けないと思うのであれば、退職は次の人生への第一歩となります。
正社員で仕事を辞める時によく迷うこと
正社員で仕事を辞めるときには、たくさん迷うことが出てきます。
よく聞く悩みの回答を参考にしてください。
辞めたほうがいい会社の特徴は?
- 辞めた方がいい会社の特長は?
-
辞めた方がいい会社の特徴はいくつかありますが、特に次のような会社は退職・転職を考えたほうが良いでしょう。
- ブラック企業(長時間労働)
- 残業代や本来出るはずの手当が出ない
- パワハラやセクハラを感じている
少しでも当てはまった方は転職・退職を検討したほうが良いといえます。
辞めた方がいい会社の特長について、更に詳しく知りたい方は【即決断】辞めた方がいい職場や会社の特徴と辞め方について解説!で更に詳しく解説しているので参考にしてみてください。
正社員でも自分が辞めると決断したら退職しよう!
正社員を辞めた後、辞めて良かったと思うか、辞めなければ良かったと思うかは誰にもわかりません。
正社員を辞めてでもやってみたいことができたり、今の仕事が辛いと苦しんでいるなら、転職して別の会社の正社員となることも雇用形態を変えてみることも選択肢として挙げられます。
さらに昨今では、日本でもフリーランスとして働く人も増えており、選択肢は広がっています。
周りの意見も参考にしつつ、自身の考えを尊重し、辞めると決断したら退職に踏み切るのは決して間違いではありません。
引き止めやトラブルになりそうなら退職代行がおすすめ!
転職が盛んに行われるようになった裏で、退職に伴うトラブルが多くなっています。
辞表を出しても受け取ってもらえなかったり、後任が見つかるまで待ってくれと言われて、いつまで経ってもその状況が続いたり、ひどいところでは、きたない言葉で、悪口を並べ立ててののしってきたりと、退職を決断したからといって、すぐに退職できるとは限りません。
引き止めやトラブルになりそうなら退職代行を使用することがおすすめです。
退職代行とは、退職の意向を、自分で会社に伝えるのではなく、第三者の業者に頼んで代わりに伝えてもらうというサービスです。
退職に関わる面倒な手続きも代行してやってくれるため、こうしたサービスを利用する人が増えています。
働き方が多様化する中、いろいろな考え方が新しく生まれており、こうしたサービスがあることを知っておくことも悪いことではありません。
正社員を辞めて良かったと言えるようにしっかりと退職しよう!
終身雇用制度での雇用が厳しい状況になりつつあるなか、人と企業を結びつける「人材業界」が著しく成長しています。
その事柄から、いかに優秀な人材を採用するかが今の企業の命題となっているかが見てとれます。
転職による成功事例も年々増えており、正社員であったとしても、さらなるキャリアアップを目指す動きが水面下で活発化しています。
企業の雇用維持が困難になっている現状において正社員だから安泰だと考えていては危険かもしれません。
また、責任の重さから、ストレスやプレッシャーで押しつぶされそうになっている正社員は多いです。
働き方が多様化する中、正社員が最良ということはすでになくなっており、自身のキャリアと健康、何より幸福であることを優先することが大事です。
正社員を辞めて良かったと言えるような退職となるよう、自身がこれからどうなりたいか、固定観念を捨てて、じっくり考えてみてください。
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